reflectwithme.com

View Original

YES!と言って行動してみよう

新しい年が始まり「今年の抱負」を持って行動を起こしている方もいらっしゃると思います。または「そういうのを決めると、かえって出来なかった時に落ち込むから、最初からきっかりと目標など決めない」という方もおられると思います。人それぞれなので、どれが正しいというのはありませんが、皆さん多少なりとも、自分のやりたい事や価値観を日々の生活に取り入れて生きているのではないでしょうか?

私個人は、自分のやってみたい事や目標をはっきりさせないと、怠けてしまう傾向があるので、新年を機に内省します。

例えば去年のうちにに達成した物、まだ進行中の物、軌道修正が必要な物、などについての内省です。それらを振り返ると頭の中が整頓され、どこにエネルギーや集中力を注げば良いのが、はっきりしてくるので分かりやすいのです。そして自分がこなしていけそうな小さな事から始めて、例え突発的な事が起こり遂行が困難だったり、または自分の時間の使い方が下手でそれが毎日出来なかったとしても、直ぐにまた出来るところから始めるという繰り返しを心がけています。

昔、「365歩のマーチ(歌詞 星野哲郎)」という歌がありましたが、その歌詞に「♪ 1日1歩、3日で3歩、3歩進んで2歩下がる ♪」とあり、私はそれが現実的だと思っています。

新年を迎えるにあたり、2019年の暮れに私はサンフランシスコにて、「2020年を建設的におくるためのビジョンボード」ワークショップを行いました。ここでも、単に「これが欲しい、これを目標にしたい」という各自のビジョン(目標、夢)をコラージュする従来のビジョンボードではなく、自分の中の意識改革をしていくところから、皆さんと考えていく時間を持ちました。

私達は日々の生活の中で、無意識に非現実的な期待や囚われを自分に課せて、そのせいで苦しい思いをする事が、多かれ少なかれあるのです。時に現実は厳しい場合もあるのですが、現状を掴んでチャレンジに対して行動しなければ、空回りし自分で自分の首を絞めかねません。その反面、自分の得意な事だけを繰り返していくのでは、成長の機会を逃してしまいます。故に挑戦する自分が挫けない為にも(挫けたとしても)、現状を把握して、やれる所から始めて行くというリアリティスティックなビジョンとマインドセットが必要となるのです。

私のオフィスでは、サイコセラピーを通して、クライエントさんのこの様なチャレンジのサポートを行なっております。今日はクライエントさんではない読者のみなさんの中に、私のオフィスで行われている事にトライしたいと思われた方が居らっしゃいましたら、是非お試しして頂きたいエクササイズを紹介致します。

今年の目標の有無にかかわらず、以下の事を念頭に置き、1つだけ自分にチャレンジしてみてはどうでしょうか?

それは

”いつもの自分より少しだけ勇気を持って、今まで無理だなと敬遠していた何かを1つ選ぶ。そして取り敢えずYES!と言ってみる、やってみる”

です。1つだけ、今までの自分では起こさない行動を体験してみるのです。でも大きな負担になりそうな事ではなく、ちょっとした努力で達成出来そうな物を1つを選んで下さい。

ではここで1例を挙げてみたいと思います。

例えばあなたが、「私は余り社交的ではないので、人が集まる場所は苦手。でもボランティアイベントには興味がある。ただ色々な人と話さねばならないのかと思うと気が重く、どうしても参加に躊躇してしまう」という意見だったとします。でもあなたは今年はこれを、1回だけでも挑戦すると決めました。

ここでのポイントは、”あなたはボランティアに行くのが目的”だという事です。

勿論、ボランティア先で、誰かと挨拶をしたり言葉を交わせねばならない状況は起こるでしょう。でもそこにあなたの集中を持って行くと、「上手く話せないと変な人だと思われる」などという不安が浮かぶかもしれません。しかしあなたの目的はボランティア活動です。なので挨拶や会話は、無礼でないレベルのことが出来ればいいのです。無理に社交的に振る舞う必要はない事を明確に認識します。

例えばそのボランティアの内容が、イベントの準備と片付けだとしたら、それを如何に丁寧(マインドフル)な行動に移せるかが大切なのです。勿論、やり方を習うのに、リーダー的な人に質問をしたり、段取りを把握する為の会話は必要になりますが、ポイントはフレンドリーな社交家を演じに行くのではなく、真面目で与えられた事をしっかりできるボランティアになる事です。そしてこのボランティアを「体験する」という事があなたの目的だと、意識をそこに持っていって下さい。

そして自分のボランティア奉仕が、自分が想像したほど上手く出来なかったという場合、そこも「結果はどうであれ、今まで避けて来た事にトライした自分を認める」のです。この部分は重要です。未経験な事なのだから最初から上手く行く方が稀であり、結果は満足でないにしても、今回経験したからこそ、次回には違ったやり方で挑めることを知れる訳です。更に、ボランティアをしたからと言って、高評価を期待したり見返りを求めれば、その結果が自分の想像していたものと異なれば、残念な気持ちや不満足感に陥りやすくなります。でも自分の決めたことを遂行するのが今日のボランティアの目的だと、事前に自分で理解する事で、余計な心配、囚われから自分を解放できるのです。

ここは重要なポイントなので、自分のこの挑戦の目的は「ボランティアを体感する事、そして業務を一生懸命やる」というのを忘れないで行動して下さい。

また仮に「ボランティアに参加して、知らない人に声をかけてみる」が、あたなの決めた挑戦ならば、ボランティアの仕事をきっちりこなしながら、そこで初めて会う人に、目を見て挨拶をしよう、などの明確な目標に集中してください。まずは小さな達成できそうなところから、チャレンジする事が大切です。初めから「社交的になる」という様なハードルの高いところを目指すと、失敗しがちなので慌てないで下さい。そして今回は仮に自分で思う様に行かずに終わったとしても、次の機会にもう一度チャレンジする、「3歩進んで2歩下がる」の精神でいきましょう。

逆に終わってみてボランティア体験が思ったより上手くいけば、それが良い印象として自分の中に残るでしょう。そうなれば、今まで自分が苦手だと思っていた事をこなせたのですから、少し頑張ってチャレンジして良かったと思えるかもしれません。また次も何かに挑戦しようという自信に繋がるかもしれません。

不安症の人は特に不安を取り除く事に精一杯で、人生は体感してゆく事の繰り返しである、それが自信に繋がるという事実を忘れがちです。色々な事を経験し体感するからこそ対応の術をわかり、未知の事に対する必要以上の不安が減って行くのです。その順序を間違えていると、何も体験しない、何も学ばない、尚且つ不安を抱えたままの面白みのない人生を送ってしまう傾向になります。

さて2020年、あなたは何にYES!と言って、それに挑戦しますか?

”一瞬一生” by 森田正馬 

”今の目の前の一瞬に、一生をかける。種々の悩みはある。しかしそれはさて置き、生きている現時点の瞬間瞬間に、自分の一生をつぎ込んで進んでいく” 

生きる力 森田正馬の15の提言 帚木蓬生著 <朝日選書>より

久高島(沖縄)の朝日