身体認知の大切さ

アメリカでも日本でも子供の学習障害や発達障害を認めて、それぞれに見合った方法でサポートをするという教育方法がここのところ注目されています。そこで皆さんが思い浮かべるのは、日本では、通級指導室(通級)や特別支援学級でのサポート等ではないでしょうか?アメリカでも学区により、提供できるサポートは異なりますが、Californiaでは、Regional Centerの様なNPOが知られています。

東京で個人教室をお持ちの神谷美奈子先生は、通級などと連結してサポートを行いつつ、「身体認知法」や「運動療法」により、子供の能力アップに努めていらっしゃいます。彼女がこれを始めたきっかけは、感覚統合療法や運動療法を受けても、我が子のぎこちなさが改善されないという親御さんの相談を受けた為。ヨガの動きを基にしながら、本人の意図と身体の認知力が、きちんと通い合っているのかアセス出来るのが、神谷先生が独自に開発した身体認知ヨガ(DS YOGA)なのです。そしてそのアセスメントにより、どんな運動を促せば、本人の身体認知能力が上がり、生活の向上へとつなげていけるか、そこを個別に指導されているのです。

嬉しい事にその神谷先生は、実は私のお友達なのです。今回、彼女に渡米して頂き、私達、心理学系クリニシャンや、軽症の障害をお持ちのお子さんや親御さん向けに、ワークショップをしてくださったのですが、参加者皆さんが新鮮な体験だった、子供たちも、初めはおっかなビックリだったのが、親御さんと一緒に無理のない運動で体を動かす事ができ、「楽しかった!」、「もっとやりたい!」と喜んで頂きました。

私自身もさっとアセスメントをして頂いたのですが、自分で気がつかなかった身体の変な動き(癖)が、正しい動作を妨げている事が判明。どれも簡単な動きだっただけに、こんなクセがあった為に足が痛かったのか!?とわかり、正に眼から鱗の体験でした。

また学習障害のあるお子さんは、身体の動きが上手く出来てないが故に、読書が極度に苦手だったり、見ている筈の物が、視界に入っていなかったりするので、身体認知法で改善すると、勉強が楽しくなり成績も上がったりするのだそうです。今回は主に児童に対して身体認知法を行なって頂きましたが、先生のクライエントさんには大人の方々もいらっしゃいます。

実は今回の神谷先生の訪米で、まだアメリカでも知られていないこの方法に興味を持たれたアメリカの教育者やクリニシャンが、「もっと長く滞在してこちらでも教えて欲しい!」とおっしゃられ、また次回も神谷先生をお迎えできないかなと考えております。もし神谷先生のワークショップにご興味をお持ちの方がいらっしゃいましたら、どうぞご一報下さい。次回のワークショップの予定の目処が着きましたら、お知らせしたいと思います。



神谷美奈子先生プロフィール

感覚統合療法や運動療法を受けていても、我が子のぎこちなさがよくならないという相談を受けたことがきっかけで、身体認知ヨガ(DS YOGA)を開発した。2018年の1年間でASD、ADHD、知的障害、二次障害によるうつ病の子供から成人まで、2500名に指導を行なった。身体認知・自分の体・感覚・感情を理解する力。身体認知は発達の段階の3番目。原始反射、感覚統合の次の段階で、反射でなく前頭前野を使って体を動かし、身体の理解をしていく。HP:http://www.ds-base.net

アメリカで今回行われた親子参加のワークショップや、クリニシャンを対象にしたワークショップで指導なさる神谷先生。